20年

今回ホームページを作っていて、今更ながら気付いたことがある。修士論文を提出してから博士論文を提出するまでに、20年の歳月が流れていたことだ。

一口に20年というが、赤ちゃんが生まれてから成人するくらいの長い年月である。

もともと遅い出発であった上に、更に長い年月をかけなければならなかったことに、様々な思いが去就する。

自分ひとりで走っていく人生であれば、もっと自由に早く到達したのかもしれない、と忸怩たる思いに駆られたこともなかったとはいえない。

本当は子供が博士号を取る時に、一緒に私も取れたらどんなに嬉しかったことだろう。

それでも悔やむことばかりではない。ひとりが100歩歩むより、二人で50歩ずつ歩む道の方が、見える景色が美しく思えるかもしれない。三人で30歩ずつだってあり得るだろう。

ともかく人と比較しても、そこからは何も生まれない。比較した時点で、既に自分に負けているからだ。人と同じ道を歩むのではなく、自分独自の道を手探りしながら探していこう。

フランス便り─文学・絵絣・建築

マルセル・プルーストをはじめとしたフランス文学便り 星谷美恵子 (Mieko HOSHIYA, Ph.D.)

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